【博多の歴史的霊場】東長寺の魅力を徹底解説!
博多の地に佇む東長寺は、弘法大師空海によって創建された日本最古の密教寺院として知られています。その歴史と魅力について、詳しくご紹介していきましょう。
空海と東長寺の縁
東長寺の歴史は、空海の中国留学にまで遡ります。延暦23年(804年)、31歳で唐に渡った空
海は、長安(現在の西安)にある青龍寺で恵果和尚から真言密教の奥義を授かりました。そして、真言宗第八祖として遍照金剛の阿闍梨位を得た後、大同元年(806年)に33歳で日本に帰国します。
博多に上陸した空海は、日本で最初の密教寺院として東長密寺(現在の東長寺)を建立しました。寺院名には「密教が東に長く伝わるように」という願いが込められており、約4年間筑紫の地に滞在して寺院の基礎を築きました。

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寺院の歴史と変遷
当初、東長寺は博多の海辺の勤行町(現在の呉服町)に位置し、広大な伽藍を誇る有力寺院でした。空海自身が制作した仏像なども安置され、その威容を誇っていました。しかし、元寇の役をはじめとする幾多の戦火により、寺院は大きな被害を受けることになります。
寺院の転機となったのは、江戸時代に入ってからです。福岡藩主黒田家の第二代藩主・忠之公が深く帰依し、寺院を現在の場所に再興。寺領300石と広大な山林15万坪が寄進され、黒田家の菩提寺としての地位を確立しました。
見どころ紹介
■福岡大仏 東長寺の最大の見どころの一つが、大仏殿に安置される福岡大仏です。高さ10.8メートル、光背高16.1メートル、重さ30トンという圧倒的な存在感を誇る木造坐像は、日本最大級の規模を誇ります。特に興味深いのは、像高10.8メートルという数字には、人間の煩悩の数(108)という仏教的な意味が込められているという点です。
■地獄極楽めぐり 大仏殿の台座内には「地獄極楽めぐり」と呼ばれる特別な空間が設けられています。暗闇の中を手すりを頼りに進む体験型の施設で、仏教の世界観を体感することができます。
■五重塔 2011年に完成した五重塔は、高さ25.9メートルの総檜造りという荘厳な建造物です。伝統工法で建てられながらも、最新の免震技術を取り入れるなど、伝統と革新が融合した建築として注目を集めています。内部には四季の風物や仏像を描いた日本画が飾られています。

物凄く重厚な建物が揃ってました。
伝統行事:節分大祭
東長寺の節分大祭は、福岡・博多で最も古い歴史を持つ節分祭として知られています。室町時代の応永32年(1425年)に始まったとされ、「歳徳神節分祭」とも呼ばれています。
近年では、国際交流の場としても注目を集めており、1996年以降、海外からの留学生が七福神やお多福、鬼などに扮して参加する新しい伝統が生まれています。日本の伝統文化を世界に発信する貴重な機会となっています。
現代に息づく歴史的霊場
1200年以上の歴史を持つ東長寺は、今なお博多の人々の信仰の中心として、また観光スポットとして多くの人々を魅了し続けています。弘法大師ゆかりの寺院として、また黒田家の菩提寺として、さらには現代的な要素も取り入れた寺院として、様々な表情を持つ東長寺は、これからも時代とともに歩み続けることでしょう。
アクセス
地下鉄祇園駅からすぐです。
隣に「もち吉」さんがあるのも要チェックです。

今まで余りお寺を見学する経験がありませんでしたが、ふらっと行ってみました。