宗像大社の概要
宗像大社は、福岡県に位置する由緒ある神社で、天照大神の御神の三柱のお子様である三女神を祀る重要な神社です。この三女神は、沖ノ島の沖津宮に祀られる田心姫神、大島の中津宮に祀られる湍津姫神、そして田島(本土)の辺津宮に祀られる市杵島姫神から成り立っています。これらの三宮を総称して「宗像大社」と呼んでいます。
沖ノ島(沖津宮)について
特に注目すべき点は、沖ノ島の存在です。この島は全体が御神体とされ、「海の正倉院」「神の宿る島」として知られています。ここからは12万点にも及ぶ国宝や重要文化財が発見されており、その中には鏡、勾玉、金製指輪などの貴重な遺物が含まれています。これらの出土品は、古代の人々が国家の繁栄と海上交通の安全を願って奉納したものであり、当時の信仰の深さを物語っています。
大島(中津宮)について
大島に位置する中津宮は、その地理的特性から、特に海運業者や漁業者からの信仰が篤いことで知られています。また、大島は七夕伝説の発祥地とされ、旧暦7月7日に近い8月7日には、鎌倉時代から続く伝統的な七夕祭りが盛大に執り行われています。
辺津宮の歴史と特徴
本土の辺津宮には、宗像大神が降臨したとされる「高宮祭場」があります。これは神籠(ひもろぎ)・磐境(いわさか)という古代の祭祀の形態を今に伝える貴重な場所で、全国的にも稀少な古代祭場として知られています。辺津宮の社殿は12世紀までには建立されていたことが確認されていますが、戦乱により何度も焼失を経験しています。現在の本殿は1578年に宗像氏貞によって再建され、拝殿は1590年に小早川隆景によって建てられました。
境内の構成
現在の辺津宮境内には、本殿・拝殿の周囲に多くの末社が配置されています。これらは1675年に第3代福岡藩主の黒田光之によって宗像郡内から集められ、まとめて祀られたものです。また、辺津宮の背後には第二宮と第三宮があり、それぞれ沖津宮の田心姫神と中津宮の湍津姫神を祀っています。これらの社殿は1973年の第60回式年遷宮の際に、伊勢神宮の別宮の古殿舎が下賜されたものを使用しています。
現代における宗像大社の意義
宗像大社は、古代から続く日本の海洋信仰の中心地として、また文化的・歴史的価値の高い神社として、現代においても多くの参拝者を集めています。三女神への信仰は、日本の海洋文化と密接に結びついており、その伝統は今日まで脈々と受け継がれています。

交通安全のお守りは宗像大社できまり