【久留米市】久留米城と篠山神社

久留米城探訪記:歴史と自然が織りなす城跡の魅力

先日、筑後の歴史的名所である久留米城跡を訪れる機会がありま

した。筑後川と宝満川の合流点という絶好の立地に位置するこの城跡は、思っていた以上に

広大で、歴史の重みを感じさせる場所でした。

圧巻の石垣群

城跡に到着すると、まず目に飛び込んでくるのが見事な石垣の数々です。江戸時代に有馬氏によって大規模な改修が行われた際の石積みが、400年以上の時を経た今でも威厳を保っているのには感銘を受けました。特に、筑前堀と呼ばれる堀の遺構からは、当時の土木技術の高さが伝わってきます。

久留米城の歴史

久留米城における大名の変遷

  • 摂津有馬氏:最初の居城主として久留米城を治めました。
  • 田中吉信:田中吉政の二男として3万石で久留米城を治めましたが、家臣との不和により短期間で終わりました。
  • 有馬豊氏:元和6年(1620年)に久留米藩を設立。21万石の大名として城の大規模改修を実施し、特に筑前堀の建設など、城の防御体制を大幅に強化しました。

この変遷の中で特に重要なのは、有馬豊氏による久留米藩の設立で、これにより久留米城は21万石の大藩の本拠地として、その規模と重要性が大きく増すことになりました。

有馬記念館での歴史探訪

本丸跡には現在、有馬記念館が建てられており、ここで久留米藩の歴史を詳しく学ぶことができます。館内には歴代藩主の貴重な遺品や武具が展示されており、特に印象的だったのは、藩政時代の文書や絵図面の数々でした。これらの展示品を通じて、21万石の大藩として栄えた久留米藩の様子を具体的に知ることができます。

篠山神社

篠山神社は久留米城の本丸跡に建てられた神社で、有馬記念館とともに現在の城跡を代表する建造物の一つです。この神社は、久留米城と久留米藩の歴史を今に伝える重要な文化財として、地域の人々に大切に守られています。

本丸という城の中心的な場所に位置することから、久留米城の歴史的価値と精神的価値を象徴する存在として、地域の信仰の中心となっています。

地理的重要性

久留米城は、戦略的に極めて重要な立地に築かれました。筑後川と宝満川の合流点に位置し、以下のような地理的利点を持っていました:

  • 水運の要衝:筑後川の水運を統制できる位置にあり、物資の輸送や商業活動の管理が可能でした。
  • 自然の要害:二つの河川による天然の堀として機能し、敵の侵攻を防ぐ優れた防御線となりました。
  • 平野部の見張り:筑後平野を一望できる丘陵地に位置し、周辺地域の監視に適していました。
  • 交通の要所:筑後地方における陸路の要所に位置し、人々や物資の往来を管理することができました。

この地理的優位性により、久留米城は筑後地方における政治・経済・軍事の中心として機能し、久留米藩の安定的な統治を支える重要な基盤となりました。

城下町の面影を探して

城跡の周辺を歩いていると、かつての城下町の面影も随所に感じられます。現在の市役所付近まで広がっていた外郭の跡や、裁判所裏手に残る森と溝からは、江戸時代の都市計画の跡をたどることができました。石垣や堀の配置からは、当時の防衛システムの緻密さが今でも伝わってきます。

現代に生きる城跡の意義

今回の訪問を通じて、久留米城が単なる歴史的建造物以上の意味を持っていることを実感しました。この場所は、地域の人々のアイデンティティの源となっているだけでなく、現代においても重要な文化的・教育的施設として機能しています。歴史好きの方はもちろん、週末の散策スポットとしても魅力的な場所です。

次回の訪問に向けて

次回は季節を変えて訪れ、また違った表情の久留米城を楽しんでみたいと思います。特に、秋には深まりゆく季節の中で、石垣と落ち着いた風景のコントラストを楽しめるのではないかと期待しています。

アクセス


訪問する場合は車が便利です。
無料駐車場がありました。

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