立花氏庭園(御花)と沖端 柳川の歴史の集大成

柳川市
沖端

柳川市、立花氏庭園(御花)と沖端の魅力

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柳川市の沖端地区は、歴史ある港町として知られ、その豊かな文化遺産と水辺の風景が訪れる人々を魅了しています。本記事では、この魅力的な地域の観光スポット、文化、グルメなどを詳しくご紹介します。

沖の端水天宮

沖端地区の中心的存在である沖端水天宮は、明治2年(1869年)に設立された由緒ある神社で

す。久留米水天宮から勧進され、稲荷神社、弥剣神社(祇園社)と共に地域の信仰の中心となってきました。特筆すべきは、この地域が国指定名勝「水郷柳河」の重要な構成要素として認定されていることです。

毎年5月3日から5日には、夏の水難事故防止を祈願する「沖端水天宮祭」が開催されます。この祭りの最大の見どころは、水天宮横の掘割に浮かべた6隻の船をつなげた「三神丸」という舟舞台の上で奉納される「水天宮囃子」です。この囃子は、古典的な囃子に異国情緒を感じさせる調子が交じることから「オランダ囃子」とも呼ばれています。祭り期間中は、子どもの無病息災や水難除けにご利益があるとされる「ひょうたん守」が授与され、掘割の両脇には露店が立ち並び、多くの参拝者で賑わいます。

柳川市出身の国民的詩人である北原白秋の生家が沖端にあり、水天宮祭を題材にした多くの作品を残しています。

昔は「ひょうたん守」は地域の子供の必須装備品でした。

柳川藩主立花邸 御花は、柳川藩主立花家の邸宅として、元文3年(1738年)に5代藩主立花貞俶によって築かれました。当初は藩主の家族が暮らす別邸として「御花畠屋敷」と呼ばれていましたが、これが現在の「御花」の屋号の由来となっています。

明治時代には、14代当主の立花寛治によって、現在の近代和風建築(大広間、西洋館、御居間など)と庭園「松濤園」が整備されました。特に松濤園は、約1,200坪の広大な池庭に大小の中島や岩島を配し、大海を表現した優美な庭園で、1978年には「松濤園」を含む一部が、2011年には敷地全体が「立花氏庭園」として国の名勝に指定されています

見どころ

  • 松濤園(しょうとうえん): 国指定名勝に指定されている広大な日本庭園で、特に100畳の大広間から眺める景色は圧巻です。池には冬場に野鴨が飛来することもあります。
  • 大広間: 約100畳の広さを持つ近代和風建築で、旧大名家にふさわしい格式を備えています。松濤園を一望できる開放的な空間です。
  • 西洋館: 明治時代の面影を今に伝える建物で、かつては要人をもてなす園遊会なども催されていました。当時の輸入品のシャンデリアや電気器具が今も残されています。
  • 立花家史料館: 戦国武将・立花宗茂を藩祖とする柳川藩立花家伝来の美術工芸品を通じて、約400年の立花家の歴史文化を紹介しています。国宝1件、重要文化財3件を含む約3万点の貴重な歴史資料が収蔵されています。
  • 東庭園: 松濤園とは別にあり、季節ごとに様々な花々が咲き誇ります。特に立花家が愛した藤の花が見どころの一つで、柳川市の市花にもなっています。

御花では、宿泊のほか、柳川名物のうなぎのせいろ蒸しや季節の会席料理を楽しむことができます。また、宿泊者向けには掘割に面した特徴を活かし、船の上で朝食をいただくプランなども提供されています。

観光の見どころ

  1. 柳川川下り 柳川観光の代名詞とも言える川下りは、江戸時代からの伝統を受け継ぐ船頭の案内で、ゆったりと水路を巡る体験です。「せせらぎ」と呼ばれる細い水路や水門の通過など、変化に富んだ景観を楽しむことができます。
  2. 立花氏庭園(御花) 約7000坪に及ぶ国指定名勝の庭園では、立花家の歴史的資料を展示する史料館、名高い作庭の松濤園、そして絶景のレストラン対月館を楽しむことができます。四季折々の自然美が訪れる人々を魅了します。
  3. 北原白秋生家・記念館 国民的詩人・北原白秋の生家では、詩人の生活と創作の足跡を身近に感じることができます。白秋は生涯にわたって柳川への深い愛着を持ち続け、多くの作品に地元の風景や思い出を詠み込みました。

地域の魅力と体験

やながわ有明海水族館では、地域の海洋生物を間近で観察でき、地元漁師による解説付きのえさやり体験など、教育的な要素も充実しています。

春には「さげもんめぐり」が開催され、女児の健やかな成長を願って作られた華やかな細工物が町を彩ります。この伝統行事は、地域の文化的アイデンティティを象徴する重要な催しとなっています。

グルメと特産品

鰻のセイロ蒸し

柳川の食文化を代表するのが鰻料理です。丁寧に焼き上げられた鰻の蒲焼きは、代々受け継がれてきた秘伝のタレと共に提供されます。また、ハモの湯引きやどじょうの唐揚げなど、川魚を活かした郷土料理も豊富です。

お土産としては、鰻の蒲焼きの他、「うなぎの骨せんべい」や、さげもんをモチーフにした工芸品など、地域の特色を活かした商品が人気を集めています。

結び

動画による沖端の紹介です。

沖端は、歴史的な建造物や伝統文化、自然景観、そして豊かな食文化が見事に調和した町です。ゆったりとした時間の流れの中で、訪れる人々それぞれが自分なりの柳川の魅力を発見できることでしょう。歴史と現代が共存するこの町で、心に残る思い出づくりをお楽しみください。

沖端は細い道が多く、矢留大神宮などは裏手にあるためかなり分かりにくいです。また、からたち文人の足湯や亀の井ホテルも、沖端から堀(水路)沿いに遊歩道がありショートカットが出来ます。

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