【久留米市】高良山と高良大社

神社

高良山の地理と自然環境

高良山は福岡県久留米市に位置する標高312.3メートルの山で、耳納山地の西端に位置しています。毘沙門岳を主峰とし、本宮山、鷲ノ尾山、勢至堂山、虚空蔵山、吉見岳の5つの峰から構成される山域を形成しています。地質構造は変成岩層を基盤とし、その上に角礫岩、さらにロームの層が重なっています。

アクセスと整備状況

山へのアクセスは複数のルートが整備されており、主要な登山道として御手洗池からの表参道、宗崎からの参道、山川町追分からの裏参道があります。1933年には自動車道が開設され、1969年の耳納スカイライン全面開通により、さらなる利便性が向上しました。

文化財と歴史的価値

高良山は数多くの文化財を有しています。特に高良山神籠石は重要な古代山城跡として知られ、山麓には多くの末社、末寺、古墳群、磐井の井戸などの歴史的遺構が残されています。また、「高良山のモウソウキンメイチク林」は国の天然記念物に、高良大社のクスノキは福岡県の天然記念物に指定されています。

高良大社の歴史と地位

高良大社は筑後国一の宮として、また旧国幣大社として重要な位置を占めてきました。創建は履中天皇元年(400年)と伝えられ、寛平九年(897年)には正一位を授けられました。現在の社殿は久留米藩主有馬頼利の時代に建立され、本殿、幣殿、拝殿はいずれも重要文化財として指定されています。

御祭神と信仰

高良大社の御祭神は、中央に高良玉垂命、相殿神として八幡大神と住吉大神が祀られています。厄除け、延命長寿、交通安全の守護神として広く信仰を集め、特に蒙古襲来時の武運長久の神としての逸話は有名です。

近世から現代へ

江戸時代には久留米藩との関係が深く、第二代藩主有馬忠頼による石造大鳥居の寄進は、領内の男子延べ10万人が携わった大事業でした。明治時代の神仏分離令により多くの寺院は失われましたが、高良大社は現代も筑後地方の重要な神社として存続し、新たに陸上自衛隊幹部候補生学校の登山走など、現代的な価値も加わっています。

景色

高良大社からは久留米市を一望できます。

 

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